花と文学|俳句・和歌・短歌・詩・物語を写真と読む

赤と白の絞り模様が美しいツバキのつぼみをアップで撮影した写真。雨に濡れた花弁が瑞々しく光る

まず一枚の写真を眺め、ひとつの言葉を読み、もう一度花を見る。ふくふくろう自身の写真に、俳句・和歌・詩・物語と、撮った日の記録を重ねています。

写真から選ぶときは下の三つの入口へ。花名や作者が決まっているときは、花名・作者・作品で探す索引へ進めます。

一枚の写真から、言葉へ

気になった一枚から、写真と作品を一緒に読む欄へ進めます。

花と言葉を絞り込む全65件の花と作品の組み合わせ

季節は作品の分類です。詩・物語は、花の開花期だけで決めず「無季・季節を定めない作品」とする場合があります。同じ作品が複数の花に関わるため、件数は作品数ではなく花との組み合わせです。

詩と物語を、写真から味わう

短い一節や作品の紹介から。植物記事では、原文と当サイトの紹介・撮影メモ・出典を分けて、写真と一緒に読めるようにしています。

アジサイ / 詩

萩原朔太郎 「こころ」『純情小曲集』

こころをばなににたとへん
こころはあぢさゐの花

冒頭2行

花の色に、ひとつに決まらない心を重ねる。

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ツバキ / 詩

八木重吉 「こころ 暗き日」『秋の瞳』

やまぶきの 花
つばきのはな

冒頭2行

気持ちを無理に明るくせず、ただ花を見たくなる。

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サクラ / 近代短歌

与謝野晶子 『みだれ髪』の一首

清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき

桜の夜のよろこびが、行き交う人へも広がる。

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ウメ / 和歌

紀貫之 『古今和歌集』春上・42

人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける

変わったかもしれない人の心と、変わらない花の香り。

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ウメ / 俳句

松尾芭蕉 「あこくその…」『芭蕉句集草稿』

あこくその心も知らず梅の花

貫之の歌を知ると、梅の句にもう一つの声が聞こえる。

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ナノハナ / 俳句

与謝蕪村 「菜の花や 鯨もよらず 海暮ぬ」

菜の花や 鯨もよらず 海暮ぬ

来なかったものまで含めて、春の海が暮れてゆく。

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イチョウ / 近代短歌

与謝野晶子 『恋衣』「曙染」の一首

金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に

黄葉の一枚ずつを、小さな翼として見直す。

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ムクゲ / 俳句

松尾芭蕉 『野ざらし紀行』「馬上吟」

道のべの木槿は馬にくはれけり

道の途中の一瞬を、花のそばから読む。

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アセビ / 随筆

堀辰雄 『浄瑠璃寺の春』

作品への入口(当サイトによる紹介)

花の色のわずかな違いが、その日の旅を懐かしくよみがえらせる随筆。

古寺の時間と、二人で見た小さな花の記憶。

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カラスウリ / 童話

宮沢賢治 『銀河鉄道の夜』

作品への入口(当サイトによる紹介)

烏瓜の灯りを川へ流す星祭。夕方の花から、その名が開く物語をたどる。

花と実を混同せず、身近な植物から物語の夜へ。

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ネムノキ / 俳句

松尾芭蕉 『おくのほそ道』象潟

象潟や雨に西施がねぶの花

象潟の雨と、細い花に重なる遠い面影。

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ナズナ / 俳句

松尾芭蕉 『続虚栗』の一句

よく見れば薺花咲く垣根かな

道ばたの小さな花へ、目を近づける一句。

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テイカカズラ / 能

金春禅竹 能『定家』

作品への入口(当サイトによる紹介)

葛に託された思いと、弔いを求める心。白い花から能の伝説を読む。

古い名に残る、恋の美しさだけではない物語。

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キンモクセイ / 近代短歌

北原白秋 『白南風』「木犀」

夜のくだち小雨しづみてにほひ来る金木犀にうらなづみゐる

夜の香りを詠む言葉と、目に見える小花の姿。

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バショウ / 俳文

松尾芭蕉 『芭蕉を移す詞』

ただその陰に遊びて、風雨に破れやすきを愛するのみ。

花の華やかさより、葉の陰で過ごす静かな時間へ。

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ワスレナグサ / 翻訳詩

ウィルヘルム・アレント/上田敏訳 「わすれなぐさ」『海潮音』

ながれのきしのひともとは、
みそらのいろのみづあさぎ、

冒頭2行

花の名と、流れゆく水。四行の訳詩に残る余韻。

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レンゲ / 随筆

正岡子規 『わが幼時の美感』

作品への入口(当サイトによる紹介)

野で束ねた花を、誰かに渡す。子規の随筆から、春の小さな記憶を。

花束と、少し照れた幼い心。春の野の記憶を読む。

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ローズマリー / 戯曲

ウィリアム・シェイクスピア 『ハムレット』第4幕第5場

作品への入口(当サイトによる紹介)

オフィーリアが語る、記憶のためのローズマリー。悲しみの場面にある植物の言葉を読む。

花や草に託された、忘れずにいてほしいという願い。

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スイカズラ / 随筆

幸田露伴 『野道』

作品への入口(当サイトによる紹介)

垣根の忍冬花に出会った一日。露伴の回想から、花のある野道を歩く。

野の花と、先輩たちの笑い声。春ごとによみがえる散歩の記憶。

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サルスベリ / 近代短歌

北原白秋 『白南風』「百日紅咲く」

風かよふ百日紅の花見れば
立秋のけはひ既にうごけり

咲き続ける夏の花に、次の季節のかすかな動きを読む。

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ヒルガオ / 俳句

松尾芭蕉 『続きの原』所収句

昼顔に米つき涼むあはれ也

野の一輪と、働く人のひと休み。暮らしのそばにある夏の花。

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オギ / 和歌

経朝 『宝治百首』「荻風」01306

いまよりの秋の夕のいかならん
おとたてそむる荻の上風

穂の姿だけでなく、葉を渡る風の音に秋を感じた中世の歌。

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シダ / 俳句

川端茅舎 『川端茅舎句集』「冬」

かぐはしや時雨すぎたる歯朶の谷

雨の過ぎた谷を詠む一句から、花のない緑をゆっくり眺める。

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エンドウマメ / 随筆

正岡子規 『わが幼時の美感』(一節)

一うねの豌豆と、蚕豆の花咲く景色なり。

桜や芍薬より先に浮かぶ、畑の花。子規が覚えていた故郷の庭。

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サザンカ / 近代短歌

北原白秋 『白南風』「山茶花咲く」

玻璃戸透き山茶花あかく見えにけり
咲きにけるかと眺めつつ今朝は

ガラス戸の向こうに見つけた赤。咲いたことに気づく、静かな朝。

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ヘチマ / 俳句

正岡子規 「絶筆三句」より

糸瓜咲て痰のつまりし仏かな

暮らしのそばの黄色い花から、子規の最後の一句へ。

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ヒマワリ / 近代短歌

北原白秋 『白南風』「晩夏小情」

ひたむきに閑けかりけり日の方や
向日葵の蘂ぞ灼けつくしたる

大きな一輪の明るさから、中心にひそむ静けさへ。

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ツタ / 近代短歌

北原白秋 『白南風』「蔦紅葉」

わが家は煙突の壁の蔦かづら日ましに染みて煙立てにけり

家の壁を日ごとに染める蔦から、身近な季節の変化へ。

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カタバミ / 随筆

正岡子規 『わが幼時の美感』

踏石の根にカタバミの咲きたるも心にとまりたり。

何気ない足元の黄色が、幼い日の庭の記憶につながる。

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シャクヤク / 随筆

正岡子規 『わが幼時の美感』

芍薬一本、我庭園中の最も艶なる者なり。

大輪の驚きから、華やかさと記憶の違いを味わう。

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ドクダミ / 俳句

種田山頭火 『草木塔』

しづかな道となりどくだみの芽

道の静けさから、低い草の目線へ。

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モクレン / 俳句

川端茅舎 『川端茅舎句集』

木蓮の落ちくだけあり寂光土

咲く姿から、花が終わるときの静けさへ。

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ノカンゾウ / 和歌

大伴旅人 『万葉集』巻三・334

忘れ草わが紐に付く香具山の故りにし里を忘れむがため

忘れようとして呼ぶ、故郷の名。橙色の花から古い歌へ。

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ビオラ・パンジー / 戯曲

ウィリアム・シェイクスピア 『ハムレット』第四幕第五場

作品への入口(当サイトによる紹介)

オフィーリアが挙げるパンジーと「もの思い」。一輪の表情から読む。

もの思いを託す花と、一輪ずつ違う表情。

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デイジー / 童話

ハンス・クリスチャン・アンデルセン 『ひなぎく』(The Daisy)

作品への入口(当サイトによる紹介)

庭の外のひなぎくと、ひばり。小さな存在へ目を向ける童話。

小さな花と鳥の喜び、そして悲しみをたどる童話。

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シャガ / 随筆

正岡子規 『わが幼時の美感』

その下にはアヤメ、シヤガなど咲きて土常に湿へり。

幼い日の湿った庭と、雨粒をまとった花をたどる。

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スイレン / 随筆

堀辰雄 『浄瑠璃寺の春』

作品への入口(当サイトによる紹介)

寺の娘が語る、夏の池の睡蓮。春の訪問から次の季節へ。

夏の花を待つ会話から、水面の景色を眺める。

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ミニヒマワリ / 近代短歌

北原白秋 『白南風』「向日葵童子」

丈ひくき向日葵童子うちならび直に射す日に面あげて佇つ

背の低い向日葵にも、夏の一輪の表情がある。

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青空を背景に白いアサガオの花が咲くアップ写真
アサガオ俳句・秋
朝顔に つるべ取られて もらひ水
加賀千代女|『千代尼句集』

花を傷つけずに水を求めるやさしさ。

アサガオの記事で読む
青紫のアジサイの装飾花を近くから撮影した無料写真素材。淡い紫の花びらが重なり、奥にピンクの花房がやわらかくぼけている。
アジサイ俳句・夏
紫陽花や 藪を小庭の 別座敷
松尾芭蕉|芭蕉の句

紫陽花が藪を小さな庭へ変える景色。

アジサイの記事で読む
ウメの早春に香る梅を撮影した花写真
ウメ和歌・春
東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ
菅原道真|『拾遺和歌集』

離れても春の香りを届けてほしいという願い。

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サクラの日本の桜文化を撮影した花写真
サクラ和歌・春
久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ
紀友則|『古今和歌集』・小倉百人一首

穏やかな春と、散り急ぐ桜の対比。

サクラの記事で読む
青空の下で鮮やかに咲くナノハナの花のクローズアップ写真
ナノハナ俳句・春
菜の花や 月は東に 日は西に
与謝蕪村|蕪村の句

東の月と西の日を結ぶ菜の花の広がり。

ナノハナの記事で読む
淡いピンクから白へと色づく花弁が幾重にも渦を描くように重なり、立体的に咲き誇る大輪のキクを真正面から捉えた接写写真
キク俳句・秋
菊の香や 奈良には古き 仏達
松尾芭蕉|芭蕉の句

菊の香りと古都の長い時間が重なる句。

キクの記事で読む
ケイトウの花の接写写真|ピンクと白が混じる鶏冠状の花が鮮やかに咲く様子
ケイトウ俳句・秋
鶏頭の 十四五本も ありぬべし
正岡子規|子規の句

数えられるほど具体的な花の存在感。

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スイセンの無料写真
スイセン俳句・冬
初雪や 水仙の葉の たわむまで
松尾芭蕉|芭蕉の句

初雪の重みを水仙の葉で感じさせる視線。

スイセンの記事で読む
鮮やかなピンク色のハスの花が太陽光に照らされて咲く姿の接写写真
ハス俳句・夏
蓮の香を 目にかよはすや 面の鼻
松尾芭蕉|芭蕉の句

目で見る花と鼻で感じる香りが一つになる面白さ。

ハスの記事で読む
雨上がりの庭で咲くピンクと白のユリの花をクローズアップで撮影した写真。花びらの水滴と鮮やかな花芯が美しく写っている
ユリ万葉歌・夏
夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものそ
大伴坂上郎女|『万葉集』巻8・1500

草の繁みに隠れる姫百合と、知られない恋の重なり。

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青い花弁が特徴のツユクサのクローズアップ写真|黄色い雄しべと緑の背景が鮮やかに映える
ツユクサ万葉歌・無季
月草に 衣は摺らむ 朝露に 濡れての後は うつろひぬとも
作者未詳|『万葉集』巻7・1351

消えやすい青を知りながら、その色を選ぶ心。

ツユクサの記事で読む
ナデシコの秋の七草を撮影した花写真
ナデシコ万葉歌・夏
我がやどの なでしこの花 盛りなり 手折りて一目 見せむ児もがも
大伴家持|『万葉集』巻8・1496

満開の撫子を誰かに見せたいという素直な喜び。

ナデシコの記事で読む
ツツジの万葉の花を撮影した花写真
ツツジ万葉歌・無季
栲領巾の 鷺坂山の 白つつじ 我ににほはね 妹に示さむ
柿本人麻呂歌集|『万葉集』巻9・1694

白つつじの美しさを大切な人にも見せたいという思い。

ツツジの記事で読む
ヤマハギ(山萩)の花を接写した写真|白から紫紅色へとグラデーションする蝶形花が重なり合い、緑の葉を背景に自然の中で咲く秋の野草の姿
ヤマハギ万葉歌・秋
高円の 野辺の秋萩 な散りそね 君が形見に 見つつ思はむ
笠金村歌集|『万葉集』巻2・233

散らずにいてほしいと萩へ託す追憶。

ヤマハギの記事で読む
クズの赤紫色の花が咲いている接写写真|黄色の斑点が特徴的な夏の日本の蔓植物
クズ万葉歌・秋
秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花/萩の花 尾花葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝顔の花
山上憶良|『万葉集』巻8・1537-1538

葛の花を眺めて味わう秋の七草の一つに数えた歌。

クズの記事で読む
オミナエシの黄色い花房を接写した高画質無料写真|夏に咲く日本の野草
オミナエシ万葉歌・秋
秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花/萩の花 尾花葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝顔の花
山上憶良|『万葉集』巻8・1537-1538

黄色い小花を秋の野の一員として数えるまなざし。

オミナエシの記事で読む
青空に映える鮮やかな赤いモミジの樹冠と枝のシルエット
モミジ和歌・秋
奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき
猿丸大夫|『古今和歌集』・小倉百人一首

色鮮やかな紅葉に、鹿の声と秋の寂しさを重ねる一首。

モミジの記事で読む

小説・童話・古典物語に咲く花

花は、物語の中で人の心を直接語らずに伝える存在です。満開の桜に差す影、国境に残る野ばら、墓地へ続く彼岸花。小説、童話、古典物語から、花が記憶している情景をたどります。

作品の原文を長く転載せず、花が担う役割を独自の文章で紹介しています。作品中の植物が現代の同名種と一致しない場合や、種が特定されていない場合は、記事内で区別しています。

サクラの日本の桜文化を撮影した花写真
短編小説|梶井基次郎 サクラと『桜の樹の下には』

満開の明るさに、説明できない影が差す

短編小説満開美と不安
サクラの記事で読む
赤と白の絞り模様が美しいツバキのつぼみをアップで撮影した写真。雨に濡れた花弁が瑞々しく光る
小説|夏目漱石 ツバキと『草枕』

鮮やかな赤の奥に、静かな凄みが沈む

小説深山静かな凄み
ツバキの記事で読む
鮮やかなピンク色のハスの花が太陽光に照らされて咲く姿の接写写真
児童文学|芥川龍之介 ハスと『蜘蛛の糸』

朝の蓮池に、慈悲と人の弱さが映る

児童文学極楽の朝慈悲
ハスの記事で読む
青空に向かって咲く赤いヒガンバナを下から見上げた写真
童話|新美南吉 ヒガンバナと『ごん狐』

墓地へ続く赤い花が、取り戻せない時間を知らせる

童話秋の村別れ
ヒガンバナの記事で読む
ノイバラの野ばらの白い一重花を撮影した花写真
童話|小川未明 ノイバラと『野ばら』

国境の一株が、敵味方を越えた時間を覚えている

童話国境友情
ノイバラの記事で読む
青紫のアジサイの装飾花を近くから撮影した無料写真素材。淡い紫の花びらが重なり、奥にピンクの花房がやわらかくぼけている。
短編小説|永井荷風 アジサイと『あぢさゐ』

花を描かない題名に、色を変える記憶が残る

短編小説記憶墓参り
アジサイの記事で読む
青空を背景に白いアサガオの花が咲くアップ写真
古典物語|紫式部 アサガオと『源氏物語』「朝顔」

近づきすぎない心を、朝の花の名が包む

古典物語朝露隔たり
アサガオの記事で読む
ナデシコの秋の七草を撮影した花写真
古典物語|紫式部 ナデシコと『源氏物語』「常夏」

夕映えの撫子に、娘への思いと出自を重ねる

古典物語夕映え親子
ナデシコの記事で読む
青空の下で濃い桃色のバラが幾重にも花びらを重ねて咲く様子を捉えた写真
物語|サン=テグジュペリ バラと『星の王子さま』

たった一輪が特別になるのは、共に過ごした時間があるから

物語一輪かけがえのなさ
バラの記事で読む
青空を背景に、白い綿毛が球状に広がるタンポポを近くから捉えた写真
小説|川端康成 タンポポと『たんぽぽ』

のどかな黄色の向こうで、見えることの確かさが揺らぐ

小説川辺見えること
タンポポの記事で読む

作品の背景を、もう少し読む

花名・作者・作品で探すときは上の索引へ。季語や古名、作品の情景をゆっくり味わう特集はこちらです。

句歌と写真を一緒に味わう

俳句は季節の入口朝顔は秋、紫陽花は夏、水仙は冬など、俳句では花が季節を知らせる言葉になります。写真の光や背景を選ぶ手がかりにもなります。
和歌は花に心を重ねる梅に別れを告げ、桜の散り際を惜しみ、秋萩へ記憶を託す。花は、人の思いを直接言い切らずに伝える存在として詠まれてきました。
万葉歌は野の姿を残す月草、姫百合、撫子、葛、女郎花。野に咲く場所や色、移ろいまで読むと、現在の写真にも古い季節の感覚が重なります。
写真に宿る気持ちから花を探す 希望、静けさ、追憶、感謝など、今の心に近い情緒から花写真を選べます。 花の情緒から探す

よくある質問

Q
同じ句に別の表記があるのはなぜですか?
A

古い作品は、伝本、真筆、後世の句集によって仮名遣いや切れ字が異なることがあります。このページでは確認できた資料に基づく形を採り、意味を変える異同がある場合は記事内で補足します。

Q
すべての花の記事に文学作品がありますか?
A

いいえ。植物との対応が確かで、作品本文と作者を確認できる場合だけ掲載します。似た名前の別種や、作者・出典が不確かな作品を数合わせで入れることはしません。

Q
句歌を写真選びにどう生かせますか?
A

句歌の中にある光、時刻、風、香り、場所を手がかりにすると、花のアップだけでなく背景や余白の選び方が変わります。具体的な撮り方は花の撮り方ガイドでも確認できます。

花の物語から探すでは、名前の由来、花言葉、歴史、季節の情緒から写真を選べます。

色・季節・用途など、ほかの入口から花写真を探す

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