まず一枚の写真を眺め、ひとつの言葉を読み、もう一度花を見る。ふくふくろう自身の写真に、俳句・和歌・詩・物語と、撮った日の記録を重ねています。
写真から選ぶときは下の三つの入口へ。花名や作者が決まっているときは、花名・作者・作品で探す索引へ進めます。
一枚の写真から、言葉へ
気になった一枚から、写真と作品を一緒に読む欄へ進めます。
花に宿る言葉と物語から探す
季節は作品の分類です。詩・物語は、花の開花期だけで決めず「無季・季節を定めない作品」とする場合があります。同じ作品が複数の花に関わるため、件数は作品数ではなく花との組み合わせです。
一致する作品がありません。条件を一つ減らすか、「条件をクリア」をお試しください。
詩と物語を、写真から味わう
短い一節や作品の紹介から。植物記事では、原文と当サイトの紹介・撮影メモ・出典を分けて、写真と一緒に読めるようにしています。
アジサイ / 詩
萩原朔太郎 「こころ」『純情小曲集』
冒頭2行こころをばなににたとへん
こころはあぢさゐの花
花の色に、ひとつに決まらない心を重ねる。
アジサイの写真と読むツバキ / 詩
八木重吉 「こころ 暗き日」『秋の瞳』
冒頭2行やまぶきの 花
つばきのはな
気持ちを無理に明るくせず、ただ花を見たくなる。
ツバキの写真と読むサクラ / 近代短歌
与謝野晶子 『みだれ髪』の一首
清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき
桜の夜のよろこびが、行き交う人へも広がる。
サクラの写真と読むウメ / 和歌
紀貫之 『古今和歌集』春上・42
人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける
変わったかもしれない人の心と、変わらない花の香り。
ウメの写真と読むウメ / 俳句
松尾芭蕉 「あこくその…」『芭蕉句集草稿』
あこくその心も知らず梅の花
貫之の歌を知ると、梅の句にもう一つの声が聞こえる。
ウメの写真と読むナノハナ / 俳句
与謝蕪村 「菜の花や 鯨もよらず 海暮ぬ」
菜の花や 鯨もよらず 海暮ぬ
来なかったものまで含めて、春の海が暮れてゆく。
ナノハナの写真と読むイチョウ / 近代短歌
与謝野晶子 『恋衣』「曙染」の一首
金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に
黄葉の一枚ずつを、小さな翼として見直す。
イチョウの写真と読むムクゲ / 俳句
松尾芭蕉 『野ざらし紀行』「馬上吟」
道のべの木槿は馬にくはれけり
道の途中の一瞬を、花のそばから読む。
ムクゲの写真と読むアセビ / 随筆
堀辰雄 『浄瑠璃寺の春』
作品への入口(当サイトによる紹介)
花の色のわずかな違いが、その日の旅を懐かしくよみがえらせる随筆。
古寺の時間と、二人で見た小さな花の記憶。
アセビの写真と読むカラスウリ / 童話
宮沢賢治 『銀河鉄道の夜』
作品への入口(当サイトによる紹介)
烏瓜の灯りを川へ流す星祭。夕方の花から、その名が開く物語をたどる。
花と実を混同せず、身近な植物から物語の夜へ。
カラスウリの写真と読むネムノキ / 俳句
松尾芭蕉 『おくのほそ道』象潟
象潟や雨に西施がねぶの花
象潟の雨と、細い花に重なる遠い面影。
ネムノキの写真と読むナズナ / 俳句
松尾芭蕉 『続虚栗』の一句
よく見れば薺花咲く垣根かな
道ばたの小さな花へ、目を近づける一句。
ナズナの写真と読むテイカカズラ / 能
金春禅竹 能『定家』
作品への入口(当サイトによる紹介)
葛に託された思いと、弔いを求める心。白い花から能の伝説を読む。
古い名に残る、恋の美しさだけではない物語。
テイカカズラの写真と読むキンモクセイ / 近代短歌
北原白秋 『白南風』「木犀」
夜のくだち小雨しづみてにほひ来る金木犀にうらなづみゐる
夜の香りを詠む言葉と、目に見える小花の姿。
キンモクセイの写真と読むバショウ / 俳文
松尾芭蕉 『芭蕉を移す詞』
ただその陰に遊びて、風雨に破れやすきを愛するのみ。
花の華やかさより、葉の陰で過ごす静かな時間へ。
バショウの写真と読むワスレナグサ / 翻訳詩
ウィルヘルム・アレント/上田敏訳 「わすれなぐさ」『海潮音』
冒頭2行ながれのきしのひともとは、
みそらのいろのみづあさぎ、
花の名と、流れゆく水。四行の訳詩に残る余韻。
ワスレナグサの写真と読むレンゲ / 随筆
正岡子規 『わが幼時の美感』
作品への入口(当サイトによる紹介)
野で束ねた花を、誰かに渡す。子規の随筆から、春の小さな記憶を。
花束と、少し照れた幼い心。春の野の記憶を読む。
レンゲの写真と読むローズマリー / 戯曲
ウィリアム・シェイクスピア 『ハムレット』第4幕第5場
作品への入口(当サイトによる紹介)
オフィーリアが語る、記憶のためのローズマリー。悲しみの場面にある植物の言葉を読む。
花や草に託された、忘れずにいてほしいという願い。
ローズマリーの写真と読むスイカズラ / 随筆
幸田露伴 『野道』
作品への入口(当サイトによる紹介)
垣根の忍冬花に出会った一日。露伴の回想から、花のある野道を歩く。
野の花と、先輩たちの笑い声。春ごとによみがえる散歩の記憶。
スイカズラの写真と読むサルスベリ / 近代短歌
北原白秋 『白南風』「百日紅咲く」
風かよふ百日紅の花見れば
立秋のけはひ既にうごけり
咲き続ける夏の花に、次の季節のかすかな動きを読む。
サルスベリの写真と読むヒルガオ / 俳句
松尾芭蕉 『続きの原』所収句
昼顔に米つき涼むあはれ也
野の一輪と、働く人のひと休み。暮らしのそばにある夏の花。
ヒルガオの写真と読むオギ / 和歌
経朝 『宝治百首』「荻風」01306
いまよりの秋の夕のいかならん
おとたてそむる荻の上風
穂の姿だけでなく、葉を渡る風の音に秋を感じた中世の歌。
オギの写真と読むシダ / 俳句
川端茅舎 『川端茅舎句集』「冬」
かぐはしや時雨すぎたる歯朶の谷
雨の過ぎた谷を詠む一句から、花のない緑をゆっくり眺める。
シダの写真と読むエンドウマメ / 随筆
正岡子規 『わが幼時の美感』(一節)
一うねの豌豆と、蚕豆の花咲く景色なり。
桜や芍薬より先に浮かぶ、畑の花。子規が覚えていた故郷の庭。
エンドウマメの写真と読むサザンカ / 近代短歌
北原白秋 『白南風』「山茶花咲く」
玻璃戸透き山茶花あかく見えにけり
咲きにけるかと眺めつつ今朝は
ガラス戸の向こうに見つけた赤。咲いたことに気づく、静かな朝。
サザンカの写真と読むヘチマ / 俳句
正岡子規 「絶筆三句」より
糸瓜咲て痰のつまりし仏かな
暮らしのそばの黄色い花から、子規の最後の一句へ。
ヘチマの写真と読むヒマワリ / 近代短歌
北原白秋 『白南風』「晩夏小情」
ひたむきに閑けかりけり日の方や
向日葵の蘂ぞ灼けつくしたる
大きな一輪の明るさから、中心にひそむ静けさへ。
ヒマワリの写真と読むツタ / 近代短歌
北原白秋 『白南風』「蔦紅葉」
わが家は煙突の壁の蔦かづら日ましに染みて煙立てにけり
家の壁を日ごとに染める蔦から、身近な季節の変化へ。
ツタの写真と読むカタバミ / 随筆
正岡子規 『わが幼時の美感』
踏石の根にカタバミの咲きたるも心にとまりたり。
何気ない足元の黄色が、幼い日の庭の記憶につながる。
カタバミの写真と読むシャクヤク / 随筆
正岡子規 『わが幼時の美感』
芍薬一本、我庭園中の最も艶なる者なり。
大輪の驚きから、華やかさと記憶の違いを味わう。
シャクヤクの写真と読むドクダミ / 俳句
種田山頭火 『草木塔』
しづかな道となりどくだみの芽
道の静けさから、低い草の目線へ。
ドクダミの写真と読むモクレン / 俳句
川端茅舎 『川端茅舎句集』
木蓮の落ちくだけあり寂光土
咲く姿から、花が終わるときの静けさへ。
モクレンの写真と読むノカンゾウ / 和歌
大伴旅人 『万葉集』巻三・334
忘れ草わが紐に付く香具山の故りにし里を忘れむがため
忘れようとして呼ぶ、故郷の名。橙色の花から古い歌へ。
ノカンゾウの写真と読むビオラ・パンジー / 戯曲
ウィリアム・シェイクスピア 『ハムレット』第四幕第五場
作品への入口(当サイトによる紹介)
オフィーリアが挙げるパンジーと「もの思い」。一輪の表情から読む。
もの思いを託す花と、一輪ずつ違う表情。
ビオラ・パンジーの写真と読むデイジー / 童話
ハンス・クリスチャン・アンデルセン 『ひなぎく』(The Daisy)
作品への入口(当サイトによる紹介)
庭の外のひなぎくと、ひばり。小さな存在へ目を向ける童話。
小さな花と鳥の喜び、そして悲しみをたどる童話。
デイジーの写真と読むシャガ / 随筆
正岡子規 『わが幼時の美感』
その下にはアヤメ、シヤガなど咲きて土常に湿へり。
幼い日の湿った庭と、雨粒をまとった花をたどる。
シャガの写真と読むスイレン / 随筆
堀辰雄 『浄瑠璃寺の春』
作品への入口(当サイトによる紹介)
寺の娘が語る、夏の池の睡蓮。春の訪問から次の季節へ。
夏の花を待つ会話から、水面の景色を眺める。
スイレンの写真と読むミニヒマワリ / 近代短歌
北原白秋 『白南風』「向日葵童子」
丈ひくき向日葵童子うちならび直に射す日に面あげて佇つ
背の低い向日葵にも、夏の一輪の表情がある。
ミニヒマワリの写真と読む小説・童話・古典物語に咲く花
花は、物語の中で人の心を直接語らずに伝える存在です。満開の桜に差す影、国境に残る野ばら、墓地へ続く彼岸花。小説、童話、古典物語から、花が記憶している情景をたどります。
作品の原文を長く転載せず、花が担う役割を独自の文章で紹介しています。作品中の植物が現代の同名種と一致しない場合や、種が特定されていない場合は、記事内で区別しています。
作品の背景を、もう少し読む
花名・作者・作品で探すときは上の索引へ。季語や古名、作品の情景をゆっくり味わう特集はこちらです。
句歌と写真を一緒に味わう
よくある質問
- Q同じ句に別の表記があるのはなぜですか?
- A
古い作品は、伝本、真筆、後世の句集によって仮名遣いや切れ字が異なることがあります。このページでは確認できた資料に基づく形を採り、意味を変える異同がある場合は記事内で補足します。
- Qすべての花の記事に文学作品がありますか?
- A
いいえ。植物との対応が確かで、作品本文と作者を確認できる場合だけ掲載します。似た名前の別種や、作者・出典が不確かな作品を数合わせで入れることはしません。
- Q句歌を写真選びにどう生かせますか?
- A
句歌の中にある光、時刻、風、香り、場所を手がかりにすると、花のアップだけでなく背景や余白の選び方が変わります。具体的な撮り方は花の撮り方ガイドでも確認できます。
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花の物語から探すでは、名前の由来、花言葉、歴史、季節の情緒から写真を選べます。


