花と文学|和歌・短歌・俳句から花を探す

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花は、姿や香りだけでなく、言葉の中にも長く咲いてきました。ここでは、植物との結びつきを確かめられる和歌・短歌・俳句を、ふくふくろうが撮影した花写真とともにたどれます。

花名、作者、季節、心に残った言葉から、気になる花の物語へお進みください。植物の同定に異説がある作品や、花との関係が薄い作品は無理に含めていません。

文学を三つの入口からたどる

季節の言葉、万葉の古名、写真の見方。それぞれの入口から、同じ花に異なる物語を見つけられます。

現在17件の花と言葉を掲載しています。

青空を背景に白いアサガオの花が咲くアップ写真
アサガオ俳句・秋
朝顔に つるべ取られて もらひ水
加賀千代女|『千代尼句集』

花を傷つけずに水を求めるやさしさ。

アサガオの記事で読む
青紫のアジサイの装飾花を近くから撮影した無料写真素材。淡い紫の花びらが重なり、奥にピンクの花房がやわらかくぼけている。
アジサイ俳句・夏
紫陽花や 藪を小庭の 別座敷
松尾芭蕉|芭蕉の句

紫陽花が藪を小さな庭へ変える景色。

アジサイの記事で読む
ウメの早春に香る梅を撮影した花写真
ウメ和歌・春
東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ
菅原道真|『拾遺和歌集』

離れても春の香りを届けてほしいという願い。

ウメの記事で読む
サクラの日本の桜文化を撮影した花写真
サクラ和歌・春
久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ
紀友則|『古今和歌集』・小倉百人一首

穏やかな春と、散り急ぐ桜の対比。

サクラの記事で読む
青空の下で鮮やかに咲くナノハナの花のクローズアップ写真
ナノハナ俳句・春
菜の花や 月は東に 日は西に
与謝蕪村|蕪村の句

東の月と西の日を結ぶ菜の花の広がり。

ナノハナの記事で読む
淡いピンクから白へと色づく花弁が幾重にも渦を描くように重なり、立体的に咲き誇る大輪のキクを真正面から捉えた接写写真
キク俳句・秋
菊の香や 奈良には古き 仏達
松尾芭蕉|芭蕉の句

菊の香りと古都の長い時間が重なる句。

キクの記事で読む
ケイトウの花の接写写真|ピンクと白が混じる鶏冠状の花が鮮やかに咲く様子
ケイトウ俳句・秋
鶏頭の 十四五本も ありぬべし
正岡子規|子規の句

数えられるほど具体的な花の存在感。

ケイトウの記事で読む
スイセンの無料写真
スイセン俳句・冬
初雪や 水仙の葉の たわむまで
松尾芭蕉|芭蕉の句

初雪の重みを水仙の葉で感じさせる視線。

スイセンの記事で読む
鮮やかなピンク色のハスの花が太陽光に照らされて咲く姿の接写写真
ハス俳句・夏
蓮の香を 目にかよはすや 面の鼻
松尾芭蕉|芭蕉の句

目で見る花と鼻で感じる香りが一つになる面白さ。

ハスの記事で読む
雨上がりの庭で咲くピンクと白のユリの花をクローズアップで撮影した写真。花びらの水滴と鮮やかな花芯が美しく写っている
ユリ万葉歌・夏
夏の野の 繁みに咲ける 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものそ
大伴坂上郎女|『万葉集』巻8・1500

草の繁みに隠れる姫百合と、知られない恋の重なり。

ユリの記事で読む
青い花弁が特徴のツユクサのクローズアップ写真|黄色い雄しべと緑の背景が鮮やかに映える
ツユクサ万葉歌・無季
月草に 衣は摺らむ 朝露に 濡れての後は うつろひぬとも
作者未詳|『万葉集』巻7・1351

消えやすい青を知りながら、その色を選ぶ心。

ツユクサの記事で読む
ナデシコの秋の七草を撮影した花写真
ナデシコ万葉歌・夏
我がやどの なでしこの花 盛りなり 手折りて一目 見せむ児もがも
大伴家持|『万葉集』巻8・1496

満開の撫子を誰かに見せたいという素直な喜び。

ナデシコの記事で読む
ツツジの万葉の花を撮影した花写真
ツツジ万葉歌・無季
栲領巾の 鷺坂山の 白つつじ 我ににほはね 妹に示さむ
柿本人麻呂歌集|『万葉集』巻9・1694

白つつじの美しさを大切な人にも見せたいという思い。

ツツジの記事で読む
ヤマハギ(山萩)の花を接写した写真|白から紫紅色へとグラデーションする蝶形花が重なり合い、緑の葉を背景に自然の中で咲く秋の野草の姿
ヤマハギ万葉歌・秋
高円の 野辺の秋萩 な散りそね 君が形見に 見つつ思はむ
笠金村歌集|『万葉集』巻2・233

散らずにいてほしいと萩へ託す追憶。

ヤマハギの記事で読む
クズの赤紫色の花が咲いている接写写真|黄色の斑点が特徴的な夏の日本の蔓植物
クズ万葉歌・秋
秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花/萩の花 尾花葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝顔の花
山上憶良|『万葉集』巻8・1537-1538

葛の花を眺めて味わう秋の七草の一つに数えた歌。

クズの記事で読む
オミナエシの黄色い花房を接写した高画質無料写真|夏に咲く日本の野草
オミナエシ万葉歌・秋
秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花/萩の花 尾花葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝顔の花
山上憶良|『万葉集』巻8・1537-1538

黄色い小花を秋の野の一員として数えるまなざし。

オミナエシの記事で読む
青空に映える鮮やかな赤いモミジの樹冠と枝のシルエット
モミジ和歌・秋
奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき
猿丸大夫|『古今和歌集』・小倉百人一首

色鮮やかな紅葉に、鹿の声と秋の寂しさを重ねる一首。

モミジの記事で読む

句歌と写真を一緒に味わう

俳句は季節の入口朝顔は秋、紫陽花は夏、水仙は冬など、俳句では花が季節を知らせる言葉になります。写真の光や背景を選ぶ手がかりにもなります。
和歌は花に心を重ねる梅に別れを告げ、桜の散り際を惜しみ、秋萩へ記憶を託す。花は、人の思いを直接言い切らずに伝える存在として詠まれてきました。
万葉歌は野の姿を残す月草、姫百合、撫子、葛、女郎花。野に咲く場所や色、移ろいまで読むと、現在の写真にも古い季節の感覚が重なります。

よくある質問

同じ句に別の表記があるのはなぜですか?

古い作品は、伝本、真筆、後世の句集によって仮名遣いや切れ字が異なることがあります。このページでは確認できた資料に基づく形を採り、意味を変える異同がある場合は記事内で補足します。

すべての花の記事に文学作品がありますか?

いいえ。植物との対応が確かで、作品本文と作者を確認できる場合だけ掲載します。似た名前の別種や、作者・出典が不確かな作品を数合わせで入れることはしません。

句歌を写真選びにどう生かせますか?

句歌の中にある光、時刻、風、香り、場所を手がかりにすると、花のアップだけでなく背景や余白の選び方が変わります。具体的な撮り方は花の撮り方ガイドでも確認できます。

花の物語から探すでは、名前の由来、花言葉、歴史、季節の情緒から写真を選べます。

色・季節・用途など、ほかの入口から花写真を探す

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