希少な花の見分け方|似ている5組をオリジナル写真で比較
花びらの中央を走る黄色い線と、濃淡のある橙色を正面から捉えました。
似ている花は、一つの特徴だけで決めると迷いやすくなります。ここでは、花→葉→つぼみ→実の順で、写真に写る形と確かな形態差を重ねて見分けます。完成した花だけでなく、開花前後まで撮影してきた「ふくふくろう|花の写真館」ならではの比較です。
見分けたい組み合わせを選ぶ
写真を見る前に押さえたいこと
花色や大きさは、光・生育環境・個体差で印象が変わります。花だけで決めず、葉の縁、花柄のつく位置、つぼみ、花後の実まで二つ以上の特徴を合わせてください。
ノカンゾウとヤブカンゾウの見分け方
開花前はよく似ていますが、花が開けば一重のノカンゾウと八重のヤブカンゾウという違いがはっきりします。つぼみと葉だけで急いで決めず、花の中心まで見るのが近道です。
ノカンゾウ6枚の花被片が見える一重咲き
ヤブカンゾウ中心まで花びらが重なる八重咲き
ノカンゾウのつぼみ細長いつぼみは花が開くまで判別しにくい
ヤブカンゾウのつぼみつぼみの段階ではノカンゾウによく似る
花ノカンゾウ一重咲き。花被片と長いしべが見分けやすい。
ヤブカンゾウ八重咲き。中心にも花びら状の部分が重なる。
つぼみノカンゾウ細長く、先端が橙色に染まりながら開く。
ヤブカンゾウ開花前の輪郭はよく似ており、決め手にしにくい。
葉ノカンゾウ細長い線形の葉が株元から伸びる。
ヤブカンゾウ同じく細長い葉で、葉だけの判別は難しい。
実ノカンゾウ受粉後に果実を結ぶことがある。
ヤブカンゾウ一般に結実せず、花後も実が見つかりにくい。
最初に花が一重か八重かを確認し、次に花後の実を見ると整理しやすくなります。葉とつぼみは補助的な手がかりです。
タカサゴユリとテッポウユリの見分け方
どちらも白い筒状花ですが、葉の幅・花の外側・咲く時期を合わせると見分けやすくなります。交雑したシンテッポウユリなどもあるため、一つの特徴だけで断定しないことが大切です。
タカサゴユリの花細長い筒から白い花被片が反り返る
タカサゴユリの後ろ姿花の外側と細長い輪郭を確認
タカサゴユリのつぼみ細長いつぼみと夏の草地での花姿
葉タカサゴユリ細く線形で、茎に多数つく。
テッポウユリタカサゴユリより幅が広く、厚みを感じる葉。
花の外側タカサゴユリ赤紫色の筋が見えることが多い。
テッポウユリ外側まで白いものが基本。
花期タカサゴユリ夏から初秋に見かけやすい。
テッポウユリ晩春から初夏に見かけやすい。
注意タカサゴユリ筋が薄い個体もあり、葉と時期も確認する。
テッポウユリ交雑個体では中間的な姿があり、単独特徴では決めにくい。
白い花だけを正面から見ず、花の背面と葉が同時に写る角度で確認すると、三つの手がかりを一度に比べられます。
コムラサキとムラサキシキブの見分け方
紫の実だけを見ると迷いやすい二種です。最も安定した手がかりは、葉の鋸歯と実の柄がつく位置です。樹高や実の密集具合は個体差があるため、補助として使います。
コムラサキの実枝の周囲にまとまって並ぶ紫の実
コムラサキの葉と実葉の縁と果実の柄の位置を同時に見る
コムラサキの枝ぶり枝の広がりと株のまとまりを確認
葉の鋸歯コムラサキ葉の上半分を中心に鋸歯が出る。
ムラサキシキブ葉の縁のほぼ全体に鋸歯が続く。
実の柄コムラサキ葉の付け根から少し離れた位置につく。
ムラサキシキブ葉の付け根に近い位置からつく。
樹形コムラサキ比較的低く、枝がしなやかに広がりやすい。
ムラサキシキブより高く育ち、枝ぶりが大きくなりやすい。
実の見え方コムラサキ実がまとまって密に並ぶ傾向。
ムラサキシキブ実の並びがやや疎らに見えることがある。
実の数だけでは決めず、葉の縁を上から下まで見たあと、葉柄と果実の柄が出る位置を確かめると誤認を減らせます。
マメアサガオとホシアサガオの見分け方
小さな漏斗形の花がつるに咲くため混同しやすい二種です。まず花色と花の中心色を見て、次に花序の長さ、花柄の突起、実の形を確かめます。
マメアサガオ白い花と淡い黄緑色の花喉
ホシアサガオ淡いピンク色と濃い中心部
マメアサガオのつぼみ萼と花柄の細かな突起を近くで確認
ホシアサガオの花序長めの花序に複数の花やつぼみがつく
花色マメアサガオ白色で、中心は淡い黄緑色。
ホシアサガオ淡いピンク色で、中心が濃く見える。
花序マメアサガオ花序が短く、つく花は少なめ。
ホシアサガオ花序が長く、複数の花やつぼみがまとまりやすい。
花柄マメアサガオいぼ状の突起が目立つ。
ホシアサガオ突起は少なく、表面が比較的なめらか。
実マメアサガオやや扁平な球形。
ホシアサガオ縦にやや長く見え、種子は小さめ。
花色は分かりやすい入口ですが、光や個体差で印象が変わります。花序と花柄まで見ると、写真からでも判断しやすくなります。
フジバカマと園芸種のフジバカマ類の見分け方
園芸店でフジバカマ名義で流通する株には複数の系統があります。葉の切れ込み・花色・由来表示を合わせ、野生系フジバカマとサワフジバカマなどの園芸系を整理します。
サワフジバカマの花濃いピンクのつぼみから白い糸状の花が広がる
サワフジバカマのつぼみ房状に集まるつぼみの色と密度
サワフジバカマの葉と茎葉の切れ込みと対生するつき方を確認
位置づけ野生系フジバカマ日本に古くから生育する系統。自生地では希少。
園芸系サワフジバカマやコバノフジバカマなど複数の系統が流通。
葉野生系フジバカマ中部の葉は3裂が基本だが、下部には裂けない葉もある。
園芸系細く深く裂けるものなど変化が広く、品種差が大きい。
花色野生系フジバカマ淡い紅紫色から白っぽく見えるものがある。
園芸系赤みやピンク色が濃いものも多い。
確認方法野生系フジバカマ一枚の葉だけでなく、株全体と複数の高さの葉を見る。
園芸系購入時のラベルや由来も確認し、色だけで決めない。
フジバカマ類は園芸流通名が入り組みます。花色だけで断定せず、株の上下で葉の形が変わる点と、入手時の名称を一緒に確認します。
さらに細部から確かめる
よくある質問
Q
写真一枚だけで花の名前を確定できますか?
A
花の正面だけでは似て見えることがあります。葉の縁、花柄、つぼみ、実など、二つ以上の特徴が写る写真を合わせて確認すると精度が上がります。
Q
花が咲いていない時期でも見分けられますか?
A
葉やつぼみ、実が決め手になる組み合わせもあります。ただしノカンゾウとヤブカンゾウのように、開花前は非常によく似るものは花が開くまで待つ方が確実です。
Q
園芸品種も同じ特徴で見分けられますか?
A
交雑種や園芸品種には中間的な姿があります。フジバカマ類や白いユリ類は、葉と花の特徴に加えて、購入時のラベルや由来も確認してください。