写真×情緒|小さな写真展 03
記憶は、色や香りを連れて戻ってきます。
春と秋の香り、忘れな草の青、夏の夕べ、彼岸の赤。ふくふくろうが撮影した花の中から、思い出を消さず、やさしく抱え直せる8枚を選びました。追憶は、過去へ戻るためではなく、今を静かに深くする時間です。
追憶をたどる四つの景色
香りから秋の色へ。記憶の扉をひらく八枚の花を、短い言葉とともにめぐります。
01
香りが、遠い季節をひらく
記憶は、景色より先に香りで戻ることがあります。春と秋の小花が、忘れていた道や空気を今日へ連れてきます。
02
名前と色に、思いを託す
忘れないでという小さな青と、長く色を残す丸い花。名前や姿は、言葉にしきれない思いの置き場所になります。
03
夏の夕べに、人を思う
うつむく釣鐘と、水辺に立つ紫の花穂。夏の静かな時間には、懐かしい人の面影をやさしく抱き直す余白があります。
04
秋の別れを、光の中へ
彼岸の赤と、空へ透ける紅葉。過ぎる季節を引き止めずに見送るとき、記憶は失ったものではなく、今を照らす色になります。
思い出は、今の光の中にある
同じ一枚でも、思い浮かぶ季節や人はそれぞれです。心に残る花を、ほかの情緒や季節からもたどれます。